指揮者の荒木です。
第64回定期演奏会が無事終了致しました。
ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
奏者および関係者の皆様、お疲れ様でした。
マンドリンでの演奏は難しいと考えていたファリャの「三角帽子」ですが、今回思い切ってチャレンジすることにしました。
幸い、演奏レベルの高いメンバーが揃ったおかげで無事に通すことができました。
さて、三角帽子の本番を終えて、他の曲では得られない、指揮者としての知見を色々と修得することができた気がします。
その中からいくつかご紹介したいと思います。
1つ目は、賛助合わせです。
今回は木管パート8名にパーカッション4名という、これまでにない大編成。しかし、音合わせの日程がバラバラになってしまったことで、賛助の音合わせに時間を費やしてしまい、肝心のオケの練習や他の曲の練習に少なからず影響しました。
ただ、賛助の方は全員プロなので、こちらの都合で一斉に集まって頂くことの難しさを痛感しました。今後、クラシックの大曲を演奏する場合には、その辺りを加味して練習を早めに進め、オケの完成度を高めていく必要があります。
2つ目は、テンポ設定やテンポ変化への対応です。
この曲の、特に「ぶどう」や「終曲の踊り」では拍子とテンポがめまぐるしく変わり、指揮者(および奏者)泣かせの場面が多い楽曲です。
次の場面のテンポでアウフタクトを示せない場所は、オケは練習を積み重ねることで調整していきますが、音合わせの回数が少ない賛助さんとの調整で苦労しました。
またオケの方も、直前になると人が増えたり弾ける箇所が増えてくるせいか、いわゆる「オケの曲想」が独り歩きすることもあり、それを指揮者の音楽に引き戻す作業も少なからずありました。
このあたりは、本番直前で主要パートおよびパーカッション奏者に、イメージを伝える努力をしました。
CDで「三角帽子 第一組曲・第二組曲」を聴くと、たいしたことをやっていないように思いますが、マンドリンオケとはいえ、実際にアンサンブルを合わせるのはこれまでの曲の比ではないと感じました。
と同時に、この曲が演奏できたことの達成感の大きさも、これまでにないものとなりました。
自分自身の音楽観も何かひとつ変わったように思います。
腕に自信のある指揮者や団体の方は、この大曲に取り組まれることをお勧めします。