2025年1月アーカイブ

効率的に音拾いする方法

指揮者の荒木です。

マンドリンオーケストラあるある話です。

定期演奏会のプログラムが決まって、その中に弾いたことがない曲がある場合、パート譜が配布されてから初回練習開始までに音拾いをする方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

かくいう私は、別団体Aでギターを弾いていますが、いつも音拾いをせず、いわゆる「丸腰し」で参加するため、初見で弾けない場所にさしかかると演奏がいつもしどろもどろになってしまっていました。

そして演奏会が近づく頃、ようやく曲の全体像がつかめてきて、最初に弾けなかった箇所も弾けるようになってくる...という感じです。

当然、指揮者の要求に応えるタイミングも遅くなります。

...という方、少なくないのではないでしょうか。

ただ、もうひとつ別の団体Bは遠方で、練習に2回しか参加できないため、団体Aのような悠長な練習をやっていられないため、1回目の練習参加前にある程度音を拾っていくようにしています。

また、今年は心を入れ替えて、団体Aも団体Bの方法で初回練習前にすべての曲の音をある程度拾い、合奏に臨んでみました。

結果、毎回やや憂鬱な気持ちで参加していた合奏ですが、とんでもなく楽に弾くことができました。

また、最初に音拾いをしたため、これから定期演奏会までの間に(そのための)個人練習をする必要もありません。

今までは演奏会が近づくと、どこかのタイミングで重い腰を上げて音を拾っていたのですが、全体の練習量を比較すると、先に音を拾った方が断然楽かもしれません。

練習中に、次にくる小節の音をこそこそ拾う必要もありません(笑)。

とはいえ、やはり音拾いは面倒な作業ですし、楽譜をもらってすぐにやる気を出すのは難しいと思います。

やる気を出すことはできませんが、ここでは少しでも効率的にできる方法を、私が実践しているやり方で、順を追って紹介していきたいと思います。

全曲とはいかなくても、プログラムの1曲か2曲でもいいので、この方法を試してみてはいかがでしょうか。

①曲の全体像を把握する

合奏に参加して、これから練習する曲がどのような曲かを知らずに参加するのは非常にもったいないです。

初演でない限り、多くの曲はYouTubeで調べればみつかります。

何回か聴けば曲の流れはなんとなくわかると思います。

が、聴くだけでは自分が何を弾くのかわかりません。

よって参考音源は、スコアを見ながら聴くことをお勧めします(この時点でまだ楽器は触りません。見るだけです)。

また、YouTubeには早戻し・早送りだけでなく、再生速度を変更する機能もあります。

これらを活用することで、スコアを見失っても復帰することができると思います。

スコアが奏者に配布されないようであれば、事前にパートトップや指揮者に配布を依頼しましょう。

最近はPDFでの配布がほとんどだと思うのでスマホやタブレットで確認できると思います。

②弾いてみる

①の聴く作業を何回か繰り返せば、今度はスコアをパート譜に置き換え、YouTubeの音源を(再生速度を下げて)聴きながら、弾いてみます(①はパート譜でもよいのですが、パート譜には曲全体を把握する情報がないため、個人的にはスコアをお勧めします)。

難しくて弾けないところは、さらに再生速度を下げてみたり、それでも弾けないところは少し練習してから音源に合わせてみます。

YouTubeにあわせる利点は「一定のテンポで練習ができる」ことです。

音源なしで練習すると、弾けるところは速く弾いて、弾けないところ速度を遅くしたり、何回も弾き直したりしますよね。

これは効率の良くない音拾いです。

音源の有無にかかわらず、ゆっくりでもいいので、難しいところも含め、一定のテンポで弾くことが最も効率の良い音拾いです(とプロのギタリストが言ってました)。

では、どれくらいゆっくりのテンポで弾けばよいのかという点ですが、2~3秒に1音でも全然大丈夫です。自分が弾けるところまで速度を下げることが重要です。

「弾く音を間違える」のは、「今弾いた音の次の音が何かわかっていない」ことが原因なので、次に弾く音を(一定のテンポの中で)認識することが最も大切です。

ゆっくりのテンポで弾けるようになれば、少しずつ速度を上げていきましょう。

この段階で、インテンポで8割程度弾ければ上出来だと思います。

なお、私はこの段階で、すべての運指を書き込んでしまいます。

理由は、別の機会にまた改めて音を拾って運指を決めて書き込む時間がもったいないためです。

ただ、練習が進むとよりよい運指に書き換えることもあります。

ここでは、まだ頭にきちんと入っていない曲を(練習時に)思い出すためのきっかけとしての役割が大きいです。

③楽譜に情報を入力する

練習中の指揮者やパートトップからの指示は楽譜に書き込むと思います。

それ以外の情報も、必要であると感じればどんどん赤で書き込んでいきましょう。

たとえば、長い休符のあとから再開するとき、どのパートのどの音をきっかけに入ればよいか、書いておけば指で数えずに済みます。前述の運指も書いておけば次の練習でなんとなく思い出せるでしょう。

また、シャープ・フラット・ナチュラルなど、何回弾いても間違える音には、変な意地を張らずに、音符に記号を書き込んでいきましょう。

④参考

プロの奏者が行っている練習方法をみつけたので、参考にリンクしておきます。

私が普段やっている、オーケストラ作品の練習方法

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