この曲想って誰の作なのか?

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今回の演奏会で取り上げる、「比羅夫ユーカラ」(北征の史)の曲想ですが、
私は学生の頃から20数年間ず~っと次のようなものであると思っておりました。

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<1970年 鈴木静一>
曲は180の軍船を連ね、日本海を北上する水軍の行進に始まる。
これは完結することなく遠い女の歌声を残して消える。

哀愁を帯びた歌声は暗いマンドチェロのモティヴと交錯し、荒涼に閉ざされたアイヌの営みを語る。

やがてその中からやや明るい響きを持つギターのリズムが曲調を変える。そして次第に明るさを増しアイヌの祭事や狩の時を表す。ひとしきり賑やかに、或いは勇壮に高まるが、また力を失い不安な変化が曲想を一変させる。この部分は生地を守ろうとするアイヌ族の征服者への反抗である。
アイヌの反抗は比羅夫北征以来1000年に亘り繰り返されたが、それは流血以前に屈服することが多かったという。しかし天明年間(1780~1789年)に起こった所謂〝アイヌの大乱〟は峻烈をきわめたが、更にそれを紛糾させたのはロシアの介入である(曲中低音部に現れる古いロシア国家の断片)。この激しい戦乱を最後としアイヌは反抗を諦めたのである。永遠の帰順である。
この戦乱が鎮まると曲の始めに現れた北征の主題が前よりも華々しく勇ましく奏され終結を思わせるが、突如断ち切られ、再び遠い女の歌声が残り、淋しげに消え去る。

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私を含めチェロを弾く者は、この暗いマンドチェロのモティヴと交錯し・・・

フレーズがいたくお気に入りで、この曲を弾くときは特に念入りに練習したものです。

あの頃の大学マンドリンクラブ(少なくとも関東の・・・)の演奏会のプログラムにはこの曲想が掲載

されていたのですが、今回スコアを見て驚きました!上記の曲想は書かれていないのです。

大筋は一緒なのですが、冒頭は

「曲は一大水軍をつらね、日本海を北上する大戦団の漕航に始まる。」・・・・・・です。

そしてお気に入りのマンドチェロの部分は

「陰鬱な低音部と交錯しながら」・・・なのです。

一体どういうことでしょう。

①鈴木先生が曲想を作り直した(どちらが先か後かは知らないが・・・・)

②顧問をしていた中央大学の部員が改作した。

③誰かが改作した(それにしてもうまい文章だ)


曲を聴く客席の方にはどちらでも良いことなのかもしれません。感動して頂ければそれで良しです。

でもこの曲想に慣れ親しんだ者にはどうもしっくりきません。

どなたかご存知でしょうか?

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このページは、adminが2010年10月10日 23:04に書いたブログ記事です。

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